裁判所の部署 裁判所には「総務課」や「会計課」といった一般の企業と同じ部署もありますが、特徴的なのは「事件部」があることです。
事件部とは・・・

正確に言うと、「事件部」という部署があるわけではありません。
裁判所には、民事や刑事、家事、少年といった事件を扱う係があるのですが、それらを総称して「事件部」と言っています。

民事事件 「個人間の私的な紛争を解決する手続」です。
貸したお金を返してもらえない場合に裁判を行ったり、相手方が裁判の内容に従わない場合に、給料を差し押さえたりして、強制的に裁判の内容を実現するための手続を行うところです。
民事事件には、民事裁判、民事調停、支払督促、債権執行、不動産執行、破産、再生などいろんな手続があります。
刑事事件

悪いこと(犯罪)をしたという容疑で検察官が起訴をした人につき、本当にその人が悪いことをしたのか、悪いことをしたのであればどのくらいの罪を与えるのがよいのかを判断する手続です。
「裁判員制度」が関係してくるのはこの刑事事件です。
ちなみに、現在のらいぬは刑事事件を取り扱う係で働いています。

家事事件

夫婦間、親子間など家庭内の問題を解決するための手続です。
離婚の調停や裁判を行ったりするところです。

少年事件

少年が犯罪に当たる行為を行ったような場合に、非行防止のためにどのような措置を取ったらよいかを判断する手続です。

具体的仕事内容

事件部で働く職員は、民事、刑事、家事、少年などの各種事件に関する様々な事務を行っています。
例えば、訴状や申立書を受け付けたり、手続相談に来た人に手続の説明を行ったり、のらいぬのように法廷に立ち会ったり、といったいろんな仕事をしています。
裁判所にいるのは、裁判官だけではないんですよ。

裁判所書記官とは

裁判所書記官と言われても何をする人か分からないですよね、普通(苦笑)。
ニュースやドラマで法廷の映像を見たことありますよね。
ひな壇の上にいるのが「裁判官」、ひな壇の下にいるのが「裁判所書記官」です。
ニュースで法廷が始まる前の映像が映ることがありますが、裁判長の顔がアップで映っているときに、書記官の顔は大体字幕で隠されています(のらいぬも字幕で隠れた自分の映像を見て、思わず叫んだ経験あり)。
ほかにもいろんなタイプの裁判所書記官がいます。

書記官の仕事
(刑事係の場合)

裁判所書記官。やっている仕事は・・・はっきり言って地味
私がやっている刑事係の裁判所書記官の仕事を一例として紹介します。
やっている仕事と言えば・・・大体以下のとおりです。

・法廷に立ち会って行われた手続の内容を書面(「調書」って言います。)にすること
・事件がスムーズに進行するように、訴訟関係者(検察官や弁護人など)と連絡を取り合うこと
・裁判官に頼まれて判例などを調査すること

あと、逮捕状などの請求が警察からあった場合に、実際に逮捕状を作成して、資料と照らし合わせて問題がないかどうかチェックしたり(もちろん、最終的に判断して印鑑を押すのは裁判官ですが)、『逮捕後も引き続き被疑者の身柄を拘束したまま捜査をしたい』と検察官から請求(「勾留請求」と言います。)があった場合に、被疑者を裁判所に呼んで弁解などを聞く手続(「勾留質問」と言います。)に立ち会ったりもしています。
結構忙しいんですよ。

書記官のなり方
(第1ステージ)

まずは裁判所事務官になる必要があります。
裁判所事務官採用試験という公務員試験があるので受験します。
これに合格すると、採用候補者名簿に載ります(名簿の有効期間は1年)。
採用候補者名簿に載った人の中から欠員のある裁判所に推薦がなされるようです。 
だから、最終合格しても合格順位によっては採用されないこともあります。
詳しい受験資格や採用までの流れは、最高裁のホームページに載っているのでそちらで確認してください。

書記官のなり方
(第2ステージ)
裁判所職員になるためには、試験に合格しなければいけません。
詳しい試験の内容については後日追加します。